筋肉が原因でパフォーマンスが下がることはあり得ません。
ただ、筋トレでついた「動きの癖」には気をつけましょう。
タンバリンさんは、内容的に見てもかなりトレーニングをしっかりとやっている様子ですね。
最初に断言しておきますが、筋肉の付きすぎでスポーツパフォーマンスが下がるなどという事は絶対にありませんのでご安心ください。どんどんやって下さい!
筋トレをするとマイナスであるというイメージは多くのスポーツ指導者が誤解しているケースが多いのですが、今回はその誤解に関してご説明いたします。
まず、筋トレをしても残念ながら「スポーツ」は全く上達しません。これは確実に事実です。もしも筋トレをしてスポーツが上達するならボディービルダーは全てのスポーツで最高の能力を発揮するはずです。
筋トレの目的は、筋力がアップした事により、「もっとレベルの高いスポーツ練習ができる」という事です。空手のレベルを上げたいタンバリンさんのケースでは、筋力がアップした事でもっと強く踏み込めて、もっと衝撃に耐えられて、もっと動作の安定性が上がるというところでしょうか。
すなわち、筋トレはやりたい動作をサポートするものであり、レベルの高い練習をするための単なる材料にすぎないという事です。筋トレは目的ではく、空手の「より良い練習」をするための手段にすぎないという事です。大切なのは「実際のスポーツの練習」です。
筋肉は重いので筋力向上すれば体重は当然増えます。体重制限のある条件でない限り、体重増加しても筋力向上しているならば良い事しか有りません。それなのに、なぜ筋トレが悪者扱いになるのでしょうか。
実はそれは「良好でないトレーニング」による「不適切動作」と「力み」という癖が大きな原因なのです。
筋トレそのものは、筋肉を発達させる事を目的としてマシンを使用する事も多いですが、このマシンの動作が「動きを固める=不適切動作」という癖につながる事もあります。具体的にはレッグプレスやスミスマシンでのスクワットをすると、「前後グラつきを制御する必要の無い環境で(固定された動きしかしなくて済む環境で)、どんな形でも良いから重量を上げる」という筋力発揮の繰り返しをする事になります。すると体は例え不適切な動作であれ、とにかく力を発揮するという癖がつき、実際にスポーツの動きをする時には、動作が不適切なために、筋肉が発達している割には力の発揮が悪いという現象が起こる事があります。
また、バーベルやダンベルなどのフリーウエイトを使用している場合でも、今度は逆にぐらつかせないために不必要なほど動きを固めてしまう事もあります。
すなわち、筋トレはあくまで筋トレであり、それを行って筋力が付いたなら、次にいかに無駄な力を入れずに、自由に、大きく、楽に動ける動作をトレーニングするかが重要という事になります。
できれば筋トレの後に、「脱力」の感覚をつかむトトレーニングをしてみてください。例えば、でんでん太鼓のように腕を振り回すとか、ストンを落ちるようにしゃがむとか、とにかく力を抜いてスッと動けるトレーニングです。筋トレをすると「力み」の癖がつきがちですが、「脱力」できていれば間違いなくパフォーマンスは向上します。
是非、安心してどんどんやってください。ただし、力みの癖をつけないようにしてください。
相談者DATA
名前:タンバリン
性別:女性
年齢:24
身長:170 cm
体重:70 kg
BMI:24.22
スポーツ:
中学:
高校:
大学:
現在:
既往歴:
健康状態:特になし
平均食事回数と量:
朝:
昼:
夜:
間食(補食):
平均睡眠時間: