無理のないストレッチや関節可動域の多い筋トレで、理想のカラダに。
イエモンさんの質問は減量とストレッチの二つのようですが、今回はストレッチに絞って回答いたします。
そもそも硬い筋肉というものはありません。筋肉は実はとても柔らかいものなのです。筋肉が硬いのは、「力が入っている」からなのです。力こぶを作るとカチカチになりますよね、それと同じ事が体のあちこちの筋肉で起こっているのです。これを「筋肉が緊張している」と表現しています。柔軟性が低い=筋肉が緊張している、という事になります。従って、筋肉の緊張を取り去ってあげれば筋肉は柔らかさを取り戻し、すなわち柔軟性は向上する可能性があります。
イエモンさんが今やっているストレッチですが、かなり頑張って痛いくらいに引っ張ったり押し込んだりしていませんか?または反動を使ってギュウギュウやっていませんか? これらのやりかたのストレッチは逆に筋肉が緊張するという事が分かっています。
すなわち、こういうストレッチは柔軟性が向上するどころが、逆に柔軟性が低下する恐れさえあるという事です。
トレッチをするなら、そのまま眠ってしまうくらい、楽で快適で、長時間やっても問題ないくらいでやってみてください。開脚が90度しか行かないなら、90度でいいのです。頑張ると逆に緊張してしまうのです。頑張らずにコンスタントに継続していると、まさに徐々に柔軟性が出てくるでしょう。
そしてもう一つ、柔軟性が向上しない要因として筋膜癒着というものがあります。
筋膜とは筋肉の周りにある言わばラップというかネットのようなもので、通常は筋肉とは離れていますが、筋肉との癒着が起こると筋肉の伸び縮みに影響を与えます。
癒着していなければ筋膜の下を筋肉がすいすい滑る形になり、筋肉がよく伸びる事の邪魔をしません。しかし大変硬い性質の筋膜が筋肉と癒着してしまうと、筋肉が緊張をやめたとしてもても筋膜がブレーキになって伸びる事を邪魔するので、こちらもやはり柔軟性の向上ができません。筋膜癒着を改善するには90秒以上、硬い、痛い筋を強く圧迫すると良いでしょう。結構痛いですが、それをやってからストレッチするといつもより良く伸びるかもしれません。
上記の通り、「柔らかい筋肉」を作るトレーニングなどというものは存在しません。ただ、できればフルスクワットや、膝を伸ばしたデッドリフトなどのように関節可動域ができるだけ大きい姿勢で筋トレを行うと、その結果関節可動域が向上していくと言う事もあり得ます。これはトレーニング動作そのものによって筋肉が引き伸ばされているという事です。
結論として、イエモンさんにやって頂きたいのは、①関節可動域の大きい筋トレを行い、②筋肉を少し圧迫して、③痛みを感じないゆるいストレッチを長めに行う、の三つです。お試しください。
相談者DATA
名前:イエモン
年齢:39
性別:男性
身長:165 cm
体重:60 kg
体脂肪率:16%
職業:会社員(事務職)
スポーツ:
中学校から高校まで野球。大学時代は、2年間テコンドー。社会人になってからは、数年間草野球程度。現在は、9月初旬からムエタイを始めました。週3~4回、2~3時間/回。それに伴って筋活も始めました。
既往歴:ありません。
健康状態:全体的に良好。肩凝り、腰痛有り。体が病的に硬い。
平均食事回数と量:
朝:パンとカフェオレ、野菜ジュース200ml、ダノンビオ。
昼:ご飯を普通盛りで、給食。揚げ物や油ものが多い。
夜:仕事やジムに左右され、食事の時間は不規則。量は多めだと自覚。
間食(補食):特に食べません。
平均睡眠時間:5~8時間