4つのことの注意してみてください。
N.Y.Rさん、こんにちは。
「やせ」は、内臓下垂など体質性なものと、代謝亢進や栄養吸収が悪い等の症候性のものとがありますが、一般には「摂取エネルギー」が「消費エネルギー」を下回ることによって起こります。エネルギー源となる糖質を使い切ると、カラダは貯蔵脂肪にエネルギー源を求めて脂肪はどんどん削られていき、そしてますます体重も減少していく……というスパイラルです。
N.Y.Rさんの食事記録を栄養評価しますと、同年代男性の必要量より600〜800kcalほど摂取エネルギーが足りておらず、特に炭水化物、ビタミン、ミネラルが不足していらっしゃるようです。逆にたんぱく質、脂質は必要量を摂れているように思います。
筋肉をつけ、体重を増やしたいとのご相談でしたので、以下のご提案を致します。ご参考になさってくださいませ。
1)たんぱく質を意識して摂る。
筋肉をつけるにはウェイトトレーニングが効果的ですが、トレーニングの際には筋肉の材料となるたんぱく質を意識して摂ることが必要になってきます。
たんぱく質を摂る時には、たんぱく質の代謝に欠かせない”ビタミンB6”、質のよい筋肉にするために必要な”ビタミンC”、たんぱく質代謝時に使われる”カルシウム”をあわせて摂ることで効率よく筋肉をつけることができます。(ビタミンB6はほとんどのたんぱく源となる食材には入っています。ビタミンCは芋・野菜・果物に、カルシウムは乳製品・大豆製品・青菜・小魚などに多く含まれます)
N.Y.Rさんの場合は、たんぱく質を摂る量をこれ以上増やすことをよりも、たんぱく源(卵、乳製品、大豆製品、魚肉等)を毎食バランスよく摂ることを意識してみてください。
2)炭水化物から摂取エネルギーを。
先に申し上げたとおり、体重を増やすには、まず摂取エネルギーを、おもに炭水化物から増やすことをおすすめします。しっかり炭水化物が摂れてないと、せっかく摂ったたんぱく質もエネルギー代謝に使われてしまい、筋肉になっていきません。一度に量を食べられないのであれば分食するなどの工夫をして1日トータルの摂取量を増やしてみてください。
3)よく噛んで食べる。
「食事をよく噛んで食べる」ことも大変重要です。よく噛むことでしっかり消化液が働き、効率よく栄養素をからだに吸収することができます。胃腸虚弱などはよく噛むことで改善されるケースが多くあります。せっかくとった食事を無駄にしないためにもぜひ実践されてみてください。
4)トレーニングに必須の3要素を忘れずに。
筋肉をつけるには、「運動」「栄養」「休養」の3要素が必要です。トレーニングをした日は十分に休養をとり、筋肉組織を効率よく育てましょう。睡眠時間を増やす工夫をなさってみてくださいね。
相談者DATA
名前:N.Y.R
年齢:31
性別:男性
身長:173 cm
体重:52kg
BMI:17.37
職業:運送業
スポーツ、身体活動:
中学校まで野球。
現在は特にしていない
既往歴:ありません。
健康状態:少し虚弱体質な所はあると思います。
平均食事回数と量:
朝:白米(大きめの茶碗1杯)・味噌汁・納豆・ヨーグルト
昼:作ったお弁当を食べる。
夜:必ず家で食べるようにしています。
パスタや白米などが主食でおかずは炒め物など。
間食(補食):特に食べません。
平均睡眠時間:3~5時間