初めて生花のレイに触れたのは、フラを習い始めて間もない、美しき先生の誕生日。フラの先輩が自分で作ったレイを先生にかけてハグしているのを見て、まるでハワイみたいだ!と感激した。
その後、歓送迎会、誕生日、結婚パーティーetc.……ことあるごとに先輩フラダンサーたちがレイを贈り合っているのを目にした。
さりげなく、レイをつくれちゃうような女性に憧れを抱きながらも手芸モノは大の苦手。そんな私でも大丈夫だよとの仲間のすすめで、スタジオで開かれたレイメイキングのワークショップに思い切って参加してみることに。
最初に花の部分をはさみで切り、ラフィアというヤシの葉を乾燥させたひもで花を紡いでいく。
華やかではあるものの、単調な作業。几帳面さも忍耐力もない私だが、だんだんと形になっていくのが楽しい。単調ということは、集中力もいる。そこは生花の良さでもあるかもしれない。せっかく生花を使うのだからと気持ちはきれずに、最切り取った花をぜんぶつないでいけた。
かわいい!!!
それから先輩方のように、自分でも作れるようになりたいと、教室に通って一通りのレイメイキングを習った。
ティーリーフという葉っぱでいくつかの花を組み合わせて編み込んでいくタイプ。
タマシダで編み込んでいくタイプ。お花はパンジー。
色合いが素敵なあじさいのレイ。
あるとき、友だちの旦那が「妻の誕生日にサプライズをしたい。なにかアイデアある?」と相談された。
ハワイでは、レイを贈ることは感謝や敬愛の気持ちを表すこと。
私はすかさず、レイ作りを進めた。
妻には内緒で、私の家に来て、夫はひとつひとつ、花をつむいでいった。
「これ、けっこう楽しいね。なんか無心になれる」
長い専用の針で花をつなげていくレイ。
そうなのだ。
信号待ちも、電車でも携帯をみて、片時も休むことない昨今の現代人。
なんかこう、「無」になる時間がすっかりなくなっているのだ。
レイをつくっているときは、ただただ、レイを贈る相手のことを思って花をつむぐだけ。
贈られた相手が喜んでくれるのはもちろん嬉しいが、自分にとっても、花の香りに満たされた贅沢なひとときなのだ。
「レイ」という言葉には、つながりという意味もある。
自然からの恩恵がつながって、人へ、そしてまた、自然への感謝へつながりますように。
友人の結婚祝いにつくったレイ。