帽子 ¥3,800、ジャケット ¥21,800(共にエスアンドグラフ 東京店)/ネックレス ¥23,100(プティローブノアー)/帽子につけたピンバッジ*私物
Text: Ryoko Kobayashi
いつものブラウンを
新しく見せるブレンドのアイデア
服に合わせて、赤いリップやシックなアイカラーを取り入れ、メイクを楽しんでいるという中村さん。
「大学生になって環境が変わり、新しいステージで頑張っていると話す彼女。そういうとき、今までしたことのないヴィジュアルにトライしてみると、新しい自分に変わる力になるかもしれない。そんな想いで、普段は選びそうもないコスプレちっくな〝アーミーの制服〟というスタイリングから、メイクイメージを膨らませていきました」(UDAさん)
アイカラーは、ベーシックだけに、ともすると古い印象を与えてしまいがちなブラウンを、ブレンドで一新。
「赤みのないブラウン(2)に、イエロー(5)を混ぜて、キャメルカラーに。瞼の上下のキワからふわっと塗っていく、いわゆるグラデーションですが、難しく考えずに目の周りに広めに入れるという感覚で。コツは、アイホールからはみ出さないことと、下瞼は上瞼よりも必ず薄くするという2点。ここさえ押さえれば、決して濃く見えないので、自分のバランスを探りやすいはず」(UDAさん)
眉はふんわりした目元に溶け込ませるべく、同じトーンのアイブロウアイテム(4)を使用。毛が濃い部分から描いてフレームに向かって広げ、元の眉の輪郭をぼかす。
「目元はほかに茶色のアイラインを入れていますが、メイク感が出やすく、クラシックに見えやすいマスカラは省き、ブラウンを陰影ではなく色味として強調しています。チークもあえて塗らず、気持ち肌よりもトーンが暗い軽やかなフェイスパウダー(3)で、頬にニュアンスを入れ、なるべく削ぎ落としました」(UDAさん)
ポイントじゃない赤リップの使い方
唯一主張のある赤のリップ(1)は、
「視線を集めるポイントというよりも、日頃彼女が使っているアイテムを入れることで、本人になじませるためのもの。目元にしっかり色を入れたので、ラインを縁取らず、カジュアルにつけました」(UDAさん)
今月のミューズが生まれるまで
中村恵子さん(学生)
2013. 5. 8 at Omotesando
(Photo: UDA)
「短い髪と
さっぱりとした
佇まいからくる
少年のような
中性的な雰囲気が
彼女の個性。
カメラを向けたとき、
レンズをぐっと見据えた
堂々とした眼差しに
ピンとくるものが
ありました」
─UDAさん
メイクアップ: UDAさん
メイクアップアーティスト。緻密な理論に基づいたオリジナルのテクニックで、本誌をはじめとしたファッション・ビューティページのほか、最近は舞台のメイクプロデュースなど多岐にわたり活躍。本企画では街でのモデルハントから、ヴィジュアル全般のディレクションまでを手がける。
右: ブラウンとイエローを手の甲で混ぜ合わせ、上下瞼ともに、目の際から外に向かって広げていく。アイホールの内側までの範囲で、目を開けたときにしっくりくる位置を探りながら、少しずつ足していくのがポイント。