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第12回 丸山 敦史(24) 時計修理士

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「Magazine for City boys」をスローガンとしてリニューアルをしたPOPEYE。このブログでは“どこかにいるはず”のシティボーイ“を捜索。彼らの地元「ホームタウン」を巡りながらそれぞれの“シティボーイらしさ”をリサーチしていきます。
 
例えば、スケーターの履くVANS、バスケットマンのジャージや動き方がかっこよく見えるのは、それぞれに真似のできないスタイルがあるからではないでしょうか? 
 
何でも似合うことより、その人にしかないスタイルがあることこそ“シティボーイらしい”と思うのです。
このブログでは、そんな独自の持ち味を持ったシティボーイを探して行きます!
「シティボーイを探せ!」毎月更新!
 

男なら誰もがハマるアイテムのひとつ、時計。ブランド、フォルム、年代など、それぞれ人によってこだわりがあるけど、今回のシティボーイは時計の“中身”に魅了された、普通とは少し変わった時計マニアです。
  
  
  
「ロータリー」

  
丸山さんのホームタウンは田園調布。お気に入りは駅前のロータリー。
「田園調布はこれと言ったスポットがないので、このロータリーが唯一の名所ですね。天気の良い日は、ケンタッキーをテイクアウトしてここで日向ぼっこしながら食べています」
  
  
  
   
「昼はテイクアウトで」


 
時計修理会社で働く丸山さん。休みの日もほとんど家から出ず時計の分解をしているとか。
「友達の古い時計を直したり、良い時計を借りて分解して構造を見たりしてるんです。始めるとやめられなくなるので、ほとんど家から出ないですね」
 
取材中、先輩から「時計を直して欲しいから届けに行く」と電話が。
調度良いのでついて行きました!
  
  
  
  
  
「取り引き?」


 
中学校のころの先輩が修理して欲しい時計を届けにきました。なんとロレックス!
「自分ではなかなか買えないので、こういう機会があると凄く助かりますね」
好きなアイテムに触れているとき、周りの存在を忘れて目を輝かせているあたりがシティボーイっぽい。だけど、夢中になりすぎて壊したら大変ですよ。

  
  
  
 
「コレクション」


 
ネットオークションやアンティークショップで60~70年代の状態の悪い時計を買い集めて直すのが丸山さんの趣味であり、勉強でもある。
「壊れているものは安く売っているので、それを狙っていろんな部品を集めているんです。同じ年代の物は使っている部品が同じ場合が多いからストックしておくとお気に入りの時計が壊れてもすぐ直せるんですよ」
上の写真は分解したパーツを分けてストックしてあるケース。とにかく細かい!

「子供の頃」

  
丸山少年は勉強が嫌いで、授業中にボールペンやホッチキスを分解しては、直すという作業を繰り返していたという。
「小学生の頃、最初に買ってもらった機械式時計が電池もないのに動いていることに疑問を感じて、中身を見たくなって分解してしまったんです。そのときは元に戻せずに壊れてしまいましたけどね。そんなことをしていたのがルーツです」
なんだか、エジソンみたいな話です。

  
   
   
  
「時計の勉強」


 
一度は普通の大学に入った丸山さんだが、あることがきっかけで大学を辞めることに。
「ある日テレビを見ていたらスイスの時計職人のドキュメンタリーが放送されていて、それを見て“時計を勉強したい”って思い、本を買って独学で勉強し始めたんです。でも、それだけじゃ物足りなくなって、長野にある時計の専門学校に通い始めました」
衝動を実現させる人は、シティボーイの憧れです。

  
  
   

「分解」

 
趣味である分解をスタート。始めると取材を忘れて作業に没頭。
「分解している時間が楽しくてしょうがないですね。1日中できます」

  
  
   
 
 

「こんな感じになります」

 
ひとつでもなくしたら壊れてしまうのが機械式時計のおもしろいところ。今回分解したのは、丸山さんが特に構造が好きなやく60年代の<SEIKO>。
「70年代にスイスが開いた時計の技能を競う世界大会があって<SEIKO>も参戦していたんですけど、5大会連続で優勝していたんですよ。それでスイスが大会を中止にしてしまったという。それくらいレベルの高い時計なんです」
 
  
  
  
  
  
    
  
  
    

 

「他にもこんなにたくさんあります」

 
「いろんなブランドの構造の違いを見ている時間が楽しいですね」
アンティークショップで集めたロンジン、オメガ、ロレックスなどなど。裏を見ればどこの会社の物か当てられる丸山さん。それぞれのパーツの特徴の話など、普通とは視点が少し違うので聞くのがおもしろい。

  
  
    
  
   
  

  
  
  
「作業部屋にて」

 
「会社の仕事で現行の時計を修理するのも楽しいですけど、プライベートではこれからもアンティークの時計に触れて行きたいですね。古い時計は知れば知る程奥が深いので、これからもいろんな時計を分解して、どんな時計でも直せるようになりたいです」

良いアンティークの時計や部品があると、すぐに買ってしまう丸山さんだから、他のものにお金はかけられない。
だから服はいつも同じパーカーとワークパンツ。

だけど、だれにも負けないくらい好きなものがあり、それに熱中していると何を着ていても格好良く見えますよね。

アンティークの時計と同じで中身が良ければ、愛され続ける。
ってことで、シティボーイと時計は中身を大切に。

取材/写真/文/宮本 賢

  
  
  
  

 


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