12月8日〔忘年ハイキング〕
宴会型の忘年会に飽きたら、休日に仲間を募って年納めの山歩きはいかが? 小さな峠をひとつ2つ越えて、日当たりのよい山の南側のルートをたどり、白壁の土蔵に柚子の実がたわわに実った山麓の村へ。仲間と憩うのんびりとした山歩き、おすすめします。
View Article12月9日〔波の花〕
11月から2月にかけての強い冬型の日、海岸近くではシベリアからの季節風が強く吹いて波が立ち、岸にぶつかって泡立ちます。粘り気を持った泡は次第に寄り集まり、ついには風に乗って内陸約7キロ地点まで飛ぶことも。この泡を「波の花」と呼ぶのです。
View Article12月10日〔氷雨(ひさめ)〕
本来は雹(ひょう)や霰(あられ)の古い呼び名ですが、『広辞苑』では〈雹。霰。みぞれ。また、みぞれに近い、きわめてつめたい雨〉、『気象の辞典』では〈ひょうの古名。冬の冷たい雨またはみぞれを氷雨とするのは、正しくない〉とあります。いずれにしても、暗く冷たく寒い雨のイメージは、演歌に似合います。
View Article12月11日〔竜巻注意情報〕
気象協会の天気図日記によると、平成2(1990)年12月11日には〈19時過ぎ千葉県茂原市に竜巻、死者1、重軽傷者78名、全壊68戸を含め1,438戸に被害。停電8万4千世帯で災害救助法適用。館山径30ミリの雹、落雷突風でJR混乱〉とあります。竜巻は予報が困難な現象ですが、ドップラーレーダーの進化などにより、近年では注意情報を出せるようになりました。
View Article12月12日〔2011年回顧〕
今年は日本海側、山陰の大雪で始まり、3月11日の東日本大震災とその後に続く余震、福島原発事故、猛威を振るった台風12号と、災害が続きました。いまだ復興への明確な展望を見出せないまま年が過ぎようとしています。毎年、この時期には10大ニュースが話題になりますが、今年の重大ニュースはやはり東日本大震災でしょう。
View Article12月13日〔煤払い〕
行事としては「煤掃(すすはき)」。鎌倉時代中期からの慣わしといわれ、その後、江戸城内で12月13日に煤掃を行い、庶民がこれをまねるようになったそうです。有名な神社、仏閣では今もこの日に煤竹などを利用して煤払いが。〈煤掃や羅漢の杖も一はらひ〉五十嵐播水
View Article12月14日〔雪の日の事件〕
元禄15年師走14日は現行暦の1703年1月30日。この日、江戸には積雪が見られました。日本史上の大事件の一つ、赤穂浪士の吉良邸討ち入りの日です。16世紀初めには温暖だった気候も世紀後半には下降し、江戸時代は気象学上、小氷河期という寒冷な期間に当たり、今よりはるかに寒かったのです。
View Article12月15日〔たき火にご用心〕
今頃は落ち葉たきの他、大掃除などにより出たごみを焼却処分する機会が増えます。しかし、毎年、不始末による火災も多発。注意が必要です。風の強い日は止めること、バケツ一杯の水を用意すること、そして火のそばを離れないこと。子どもだけでのたき火は、事故防止のためにも絶対禁止です。
View Article12月16日〔12月の積雪〕
東京の12月の積雪記録は、1913(大正2)年12月16日の18センチ。それ以降も、1920 (大正9)年12月7日の12センチが最高と、あまり積もってはいません。12月中の早い積雪を見ると、冬の寒さや長さが気になります。〈限りなく降る雪何をもたらすや〉西東三鬼
View Article12月17日〔山眠る〕
春の山は笑い、夏は滴(したた)り、秋は粧(よそお)い、そして冬の山は静かに眠ります。日本海側の山々には、シベリアからの季節風と日本海の水蒸気で多くの雪が積もり、これから春まで深い雪に覆われます。〈眠る山佐渡見ゆるまで径(みち)のあり〉前田普羅
View Article12月18日〔颪(おろし)〕
阪神タイガースの応援歌『六甲颪』の「颪」は、山から吹き下ろされる強風のこと。もともと冷たい空気なので、山の斜面を下りるときに断熱昇温しても、やはり冷たく感じるのが特徴です。山によって、筑波、赤城などの名が付きます。
View Article12月19日〔地下水を使おう〕
東京の地下水の温度は、1年を通じて約15℃と一定しています。外の気温が下がるこれからの季節は井戸水が温かく感じられ、炊事、洗濯、大掃除などに使える人はありがたいと思うでしょう。風呂の水にも井戸水を利用し、燃料節約を。
View Article12月20日〔屋敷林〕
冷たく強い季節風から家を守るために、家の周りを囲った林のこと。日本各地に見られ、関東地方では武蔵野の屋敷林(森)、北陸では富山の砺波(となみ)平野の「垣入(かいにょ)」、山陰では出雲の「築地松(ついじまつ)」などが有名です。いずれも北側から西側に、家を取り巻くように木を植えてあります。
View Article12月21日〔年賀状〕
仕事や忘年会など、忙しさに追われてまだ書いていない人は、そろそろ書いて出さなければと焦る頃。昔は自筆で作成しましたが、このところはパソコン印刷が主流です。しかし、宛名書きから年賀状本文まですべて印刷というのは、やや味けない気も。
View Article12月22日 冬至〔寒気これから〕
陰暦12月の中、陽暦12月22日か23日頃。北半球では太陽の高さが最低となり、1年中で昼がもっとも短く、東京ではおよそ9時間45分。この日を境に日が長くなってくるので「一陽来復」といわれますが、寒さじたいはこれからますます厳しくなっていきます。
View Article12月23日〔冬ぬくし〕
またこの時期、風が弱く暖かな日については、「冬暖か」または「冬ぬくし」と表現します。「暖か」は俳句の世界では春の季語ですが、「冬」を付けることによって、不意に訪れた冬の穏やかな日和を表現しているのです。
View Article12月24日〔クリスマスイブ〕
この日、雨が夜更け過ぎに雪へと変わるのを期待する人もいると思いますが、東京では21世紀に入ってからの10年間は曇りや晴れ続きで、雨や雪の降った日は残念ながら1日もありません。また、サンタクロースが橇やスノーモービルで走れるのは北日本の日本海側、それも山沿いや山間部のみになるでしょう。
View Article12月26日〔正月の遊び〕
昔の子どもたちなら、凧上げ、コマ回し、羽根つき、竹馬など。でも、今は正月だからこれ、という遊びはないのかもしれません。もはや思い出の中の光景なのでしょうか。〈竹馬のめり込む砂地にて遊ぶ〉山口波津女
View Article12月27日〔年の瀬に思う〕
今年もあと5日、何となく気ぜわしい年の暮れ。東日本大震災や福島原発事故の被害のことを思うと、間もなくやって来る正月もゆったりとした気持ちで迎えられないのが現状ですが、来年こそは人々が安全、安心して暮らせる年になるよう、せめて祈りを込めて準備を進めましょう。
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