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第38回 長谷川カラム(19)学生、映像作家 | ブログ | マガジンワールド

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夢中なことがあったり、叶えたい目標があったり、誰にも真似できない自分だけの“何か”を持ってる人ってかっこいい。
シティボーイってどんな人のことを言うの!? という問いの正解は決して一つではないけど、彼らが共通して持っているのは、そういう自分の興味に対する強い想いなのではないでしょうか。  
このブログでは、毎回1人のシティボーイに密着取材。彼らのホームタウンを巡りながら、シティボーイの実態を調査していきます。

今月のシティボーイは慶応義塾大学環境情報学部2年の長谷川カラムさん。学業に励みながら映像作家としても活動する19歳。現在は、企業や地域のPR動画制作から音楽イベントのアーティスト撮影まで、幅広いジャンルでプロとして活躍中! 今回は、今一番仕事で訪れるという渋谷でお話を聞きました。

まずは挨拶がわりに、彼が高校2年生のとき、制作した動画をどうぞ。

これは長谷川さんの地元である、金属製品の生産で有名な新潟県は燕三条のカトラリーメーカー『山崎金属工業』のものづくりの様子を映したドキュメンタリー。セリフはまったくないけど、工場の空気や職人の気迫がリアルに伝わって来る。しかも、これが独学で本格的に動画制作を始めたばかりのときの作品だというから驚きだ。

この動画をネットで公開するやいなや、全国で話題になり、長谷川さんは高校生クリエイターとして注目を浴びるようになった。そもそもなんで動画に興味を持ったんだろう?

「はじめて映像に興味を持ったのは小学校5年生のとき。夏休みにイギリスにいる父に会いに行って、キャンプをしたんです。その様子を父のカメラで撮影して編集をして、自由研究の課題として学校に提出しました。映像じゃなくてスライドショーですが(笑)、それをみんなの前で発表したらすごく楽しくて、それが映像に興味を持ったきっかけだと思います。高校に進んでからは一人の友達とタッグを組んで文化祭や体育祭など行事ごとに映像を作っていました。ただ、高校2年生になるとそれだけでは物足りなくなってしまって、もっと定期的に何かを撮りたいと思ったんです。そんなときに友達の親戚がおろし金を作っている工場を運営しているということを知り、地元新潟のものづくりを映像に収めて紹介するようになりました」

中高一貫校に通っていた長谷川さんにとって、職人の映像を収めることはすごく大きな経験になったそう。

「中高一貫で同じ友達と6年間過ごすっていう閉鎖的な環境だったから、学校外でいつもと違うことをしているって感覚がまず新鮮で。基本的に工場は土日が休みなので、学校が終わったらすぐに自転車で工場に向かう生活でした。職人さんは頑固な人が多くて最初はこわかったけど、『この作業は何をしているのか』と質問すると『よくぞ聞いてくれたな!』って喜んでくれて、最終的に弟子入りまで勧められたこともあります(笑)。何度も何度も通って関係を深めていくと、他の職人や料亭のおっちゃんを紹介してくれたり。地域のコミュニティの一員として認められているようで、嬉しかったですね」

職人の動画を撮るまでは、閉鎖的な生活に嫌気がさし、父のいるイギリスに戻ろうと思っていた長谷川さんだが、地域の人との交流をきっかけに日本での進学を決意。

「ずっと映像ばかり作って勉強していなかったから、イギリスに戻って進学するつもりでした。でも職人の映像がきっかけで高校生向けのイベントで東京に来る機会が増えて、慶応義塾大学の湘南藤沢キャンパス(SFC)という存在を知ったんです。若いときからいろんな活動をしていて面白いと思う人はみんなSFCの人だったし、これまで築いてきた新潟の人とのつながりを大切にして、国内でいろんなことを経験してから、それでもイギリスに行きたければ行こうと思っていました。ただ、イギリスの大学の学費は、卒業してから税金で払い戻していく制度があるのですが、日本で進学するとなるとそういういうわけにはいかず。生活費を自分でなんとかしなくてはならなくて、進学とともにフリーで映像の仕事を始めました。大学1年のときはいただいた仕事は全部受けてたし、とにかく必死でした。1年経った今はありがたいことに楽しいと思える仕事の依頼が増えています。最近はダンスミュージックシーンでの撮影が多いでしょうか」

なんて話す彼だけど、学業との両立は大変なはず。普段はどんな生活をしているの?

「月曜から水曜までは学校の授業を受けて、木曜と金曜は長期的に関わらせていただいている企業での活動、土日はそれ以外の仕事を受けています。土日は地方に行くことも多くて、先日は長野の小布施に行ってきたばかりです! 忙しいけど、最近はただのカメラマンや動画編集者としてではなく、企画や構成を考えるディレクターとして呼んでいただくことが増えたのでとても嬉しいです。大勢の人の前で映像が流れたり、フェス等々のイベントの舞台裏で仕事ができたり、ちょっとしたことにも楽しさを感じます」

この1年はプロとして活動することに少し自信がついた長谷川さん。映像制作はずっと独学というが、その勉強法は?

「ひたすらYoutubeとVimeoで海外の動画を観て、どうやって撮影しているかを検証しています。今改めて、高校のときに撮った新潟の職人の動画を見ると、色んな人の撮り方を真似しただけじゃん! って感じですごく恥ずかしいのですが(笑)。 あとは、映画を観るのが好きですね。最近だと『ララランド』が面白かったです。演劇的な照明の技術を使ったり、すごい長回しのカットがあったり、ずっと観ながら『おお〜』って言ってました。他には『グランド・イリュージョン』という映画も、映像の作り込みがすごくて好きです。もっとニッチな映画を挙げたほうがプロっぽくてかっこいいでしょうけど、どうしても映画は撮影方法が気になってしまうので、撮影が大がかりな映画方が見てて面白かったりします。他にも暇なときは、CGの動画作りの練習をしています。先日も作った動画をInstagramに投稿したんですが、気持ち悪くなるからやめてと友達にコメントされてしまい…(笑)」

映像は最近勉強中だというCGの動画、たしかにずっと見てると目が回りそう…(画像からinstagramに飛べるよ!)。とにかくずっと動いていないと気が済まないという長谷川さんは、常にPCを持ち歩いてどんな場所をも作業場所にしてしまう。


「編集はノートパソコンでどこでも作業できるようにしています。大事な商売道具です。よく、PCにステッカーを貼ってる人が嫌いという人もいるので僕は裏側に貼ってるんです(笑)」

以前本誌連載『シティボーイの憂鬱』でアップル製品をどうアレンジするかが問題になってたけど、ついに正解が出た!
最後に今後のことについて聞きました。

「夢はまだないけど目標はあります。もっといろんな仕事に関わって、ただスキルじゃなくて自分自身をブラッシュアップしたいです。今は仕事をすることに必死で大学は単位を取るためだけの存在になっているから、どこかで1年休学をして映像の仕事を思いっきりやって学問に落とし込める興味分野を探そうと思います」

19歳にしてプロとして働く責任感を持つ長谷川さん。
これからの活躍が楽しみだ!

HP : http://callumhasegawa.com/
instagram: @callumhasegawa

http://blog.magazineworld.jp/popeyeblog/29472/


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