先月のある日、私は電車に揺られて千葉に向かっていました。「野菜と豆」の特集で、江戸時代から代々農業を営む高柳ご夫妻にお話を伺いに行ったのです。
お2人は優しくて物知りで、お土産に野菜をたんまりくださって、とても楽しい取材だったのですが、その様子は誌面で見ていただくとして……
撮影も終わってほっとしたころ、お茶うけにといただいたのがこちら。
お米のおせんべいです。揚げたてのあつあつ。
ちょうどいい塩味がついています。
お米はもちろんご夫妻が育てたもの。塩は天然塩。海沿いで塩づくりをしている人と知り合って、野菜と物々交換をしているそうです。そりゃおいしいわけです。
しかもですね。これ、舌にのせると吸い付いてくるんです。
吸い付いてくるといえば、よく中華料理屋や居酒屋のお通しで出てくる、ピンク色のえびせんべい。あれもそうですよね。あれよりもさらに吸い付く力が強い。
やはりせんべいも、厳選された素材で作ると活きがいいのか……
そんなことを考えながら舌に乗せるのにハマってしまったので、作り方を教えてもらうのをすっかり忘れました。
さっき、奥さまに電話して聞きました。
「あれはね、うるち米を粗くついてから、硬くなりすぎないうちにうすーく切るの。それから一週間くらい天日に干す。そうやって乾燥させたものを、こんがり色がつくまで揚げるのよ。うちではいつも冬の間に乾燥させておくのだけど、これからのじめじめする季節でも作れるかしらねえ。あと、塩味にするなら、米をつくときに最初から練り込んでおくといいわ」
へえー
手順だけ聞くと簡単そうですが、均一にうすく切ったり、ほどよい塩味をつけたりするのにはコツがいりそうです。あれだけおいしく作れるのは、長年の経験のたまものですね。
「いえいえ、大丈夫よ、あなたにもできるわ」
心強いお言葉もいただき、おいしい米と切れ味のいい刃物を手に入れた暁には自分もチャレンジしようと思いながら電話を切ったのでした。
さて、編集部でも、「野菜と豆」という特集柄、ヘルシーなおやつが続きました。
こちらは野菜のおかず。写真を撮ろうとしたら、デザイナーNさんがさっとポーズをとってくれました。
スナックエンドウをぽりぽり。仕事中に野菜っていうのもいいですね。ほっとします。
こちらは大豆粉を使ったケーク・サレ。小麦粉不使用と知って驚きました。おからと豆乳も入っているのでほんのり大豆の味はするけれど、それがまたおいしい。
同じく大豆粉を使ったパンケーキとスコーンもあったのですが、どれもあっという間に売り切れていました。
そういえば、後ろでケーク・サレを分配する手はまたしてもデザイナーNさん。おやつ察知能力の高い私たちです。
ご夫妻のこと、野菜のおかずレシピ、大豆粉を使ったおやつのレシピは、どれも5月25日発売のクロワッサンに掲載されています。
ぜひ探してみてください。