「土用」といえば、鰻を食べる習慣のある「夏の土用の丑の日」を思い浮かべる。が、実は、すべての季節に土用があるって知ってましたか?
そもそも「土用」とは、古代中国に端を発する五行に由来する暦の分け方で、それぞれ季節の始まり(立春、立夏、立秋、立冬)の前の約18日間の期間のことをいう。
つまり、土用とは季節の変わり目の期間なわけだ。
今年の立冬は11月7日で、10月20日から秋の土用入りをしている。
季節の変わり目には体調を崩しやすいということもあるし、これからやってくる冬に向けた体に整えるには、この土用を上手に過ごすのが要。
というわけで、夏の土用に鰻を食べるように、秋の土用にいい食べ物を調べてみた。
(ただし、鰻を食べる習慣の由来は諸説あり、平賀源内が商売がうまくいかない鰻屋のために発案したという説が良く知られている。漢方医学とはあまり関係はないようだが…ビタミンA、B群が豊富で夏バテ対策にはなっている)
先の五行に由来する漢方医学の考え方では、土用には「脾」が働き、全体の調子を整えると考えられている。
「脾」とは消化吸収全般に関わるすべての機能のこと。
この「脾」に関連してくるキーワードは
味→甘
色→黄
具体的な食材は、豆類、穀類、芋類あたりになってくる。
黄色くて甘くて、この時期にある食材といえば!
「さつまいも!」
栗やかぼちゃなどもよさそうだ。どれも大好物ばかりで嬉しくなってきた。
ただし、摂り過ぎは禁物。
五臓六腑、体全体がお互いに働きあって、養生していくのがそもそもの考え方だから、食欲の秋にまかせてバランスを忘れては本末転倒だ。
これから寒い季節がやってきますが、季節のおいしい食べ物をいただいて、楽しんで過ごしたいですね。
参考文献:『からだ予報』(ポプラ社)、『図解 東洋医学のしくみと治療法がわかる本』(ナツメ社)、『漢方をはじめよう』(成美堂出版)