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第11回 加藤伊織(24)柔道整体師アシスタント

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「Magazine for City boys」をスローガンとしてリニューアルをしたPOPEYE。このブログでは“どこかにいるはず”のシティボーイ“を捜索。彼らの地元「ホームタウン」を巡りながらそれぞれの“シティボーイらしさ”をリサーチしていきます。
 

例えば、スケーターの履くVANS、バスケットマンのジャージや動き方がかっこよく見えるのは、それぞれに真似のできないスタイルがあるからではないでしょうか? 
 

何でも似合うことより、その人にしかないスタイルがあることこそ“シティボーイらしい”と思うのです。
このブログでは、そんな独自の持ち味を持ったシティボーイを探して行きます!
「シティボーイを探せ!」毎月更新!
 
  
今回のシティボーイは柔道整復師(柔整師)になるため修行中の加藤伊織さん。学生時代、1年間かけて南米大陸の旅行を決行し、その途中のあることがきっかけで柔整師を目指すことに。その後もバイクで日本を横断したりと旅をライフワークにするアクティブな加藤さんのホームタウン、桜新町にお邪魔してきました。
みなさん最近カラダの調子はいかがですか?
 
  
「修行中の整骨院」


 
修行中の整骨院にて出迎えてくれた加藤さん。仕事がちょうど終わったところだそうです。
「この絵の姿勢が完璧なんですよ。簡単そうに見えるけど、肩をここまで張れる人はあんまりいないんですよね」

加藤さんが目指している柔整師とは日本古来の伝統医療法で、民間資格の整体師とは違い国家資格が必要な医療のこと。治療のできる幅も広がるから覚えることも多いんです。

本日は午前で終わりなのでこれからホームタウン桜新町に戻ることに。

  
  
  
「通勤はプッシュ」

 
帰りは駒沢公園の中をプッシュで帰ります。
「スケボーで通勤するといい運動になるし、公園の中を通り抜けられるので気持ちいいんですよ。昔は駒沢でよくスケボーのトリックを練習していたんですけど、最近は移動専用ですね」
普通の自転車よりよっぽど早いスピードで走って行く加藤さん。
若き柔整師の背中がまがっているように見えるのは本日の疲れのせいでしょうか。
  
  
  
  
「駒沢バッティングスタジアム」


 
帰りはバッティングセンターで汗を流すのがルーティーン。
平日の午後に一人で遊ぶ方法を知っているのはシティボーイらしいです。
「90kmがちょうど良いスピードですね。それ以上はちょっときついです」
実力は半人前でも、構えは一人前です。

 
  
  
「行きつけのカレー屋」

 
カレーを食べにインドとネパールに行ったことがあるほどカレー好きな加藤さん。
行きつけのカレー屋さんは駒沢公園通りにあるインド人が営む本格的なお店『サティ』。
「毎食カレーでもいいくらいですね。柔整師になるために東洋医学の勉強をしていると、インドのスパイスを使った治療法の凄さがわかってさらに好きになりました」

 

 
どうしてももうひとつ紹介したいと連れて来てくれたのが桜新町にある近所のカレー屋さん『砂の岬』。
「オープンしているのが週3回くらいで、さらに1年に何回かネパールとかインドに修業に行ってしまうのであんまり食べられないんですけど、今まで食べたカレーの中で一番旨いです。友達がうちに来たら必ず連れてくるんですよ」
自分のお気に入りの店に友達を連れていくのが好きというのもシティボーイの習性ですね。

  
  
  
  
「南米旅行」


 
学生時代に1年間休学をして、南米大陸を旅行したという加藤さん。そのときにボリビアの国境沿いで行われていたヒッピーのキャンプが柔整師を目指す出発点に。
「南米に行きたくなったのは、チェ・ゲバラの映画『モーター・サイクル・ダイアリーズ』を観たのがきっかけです。南米旅行の途中、ボリビアあたりでヒッピーのキャンプに滞在することになったんですけど、そこはお金が使えないルールで音楽ができる人はギターを弾いたり、踊れる人はダンスしたりと自分の得意な“なにか”を食べ物とかと交換して生活していたんです。そこでぼくはなにもできないからずっと塩を人と交換して生活していたんですけど、それって結局お金と変わらないなと思って。そういう状況で自分の特技を生かして生活できるようになりたかったんです。それで日本に帰ったら、どこに行っても生活できることを仕事にしようと考えたんです。帰国後、いろいろと縁があったのと世界中どこでも必要とされているので柔整を勉強をすることにしました」
上の写真は南米の中でもとくに加藤さんが好きになった街、メキシコのグアナファト。

 
もうひとつのホームタウン?
 
  
  
「修業中」

 
カラダについての本を見つけると買うようにしている勉強家の加藤さん。
「カラダの事をしっかり勉強する機会は意外と少ないと思いますが、ちゃんと勉強すると知らないことが多くて楽しいんですよ。背骨を触るとどこが調子悪いのか大体わかったりするんです。
上達するためには、いろんな人のカラダを触ることが大事なので、昔から遊んでいたDJイベントで一部場所をかりて簡単な整体をやらせてもらっています。夜中は疲れている人が多くて、そういう人のカラダはおもしろいくらい曲がっているので触っていて勉強になりますね」
遊びと勉強、どちらにも手を抜かないのがシティボーイ。

  
  
 
「商売道具」

 
この手ひとつで生活してけるようになるのが目標。少しずつ親指の周りに、マッサージのための筋肉ができてきたという。
「今はとにかく人のカラダに触ることを繰り返しています。そうするとその人の“手の型”ができてくるらしいんです。良い柔整師やマッサージ師はカラダに触れた瞬間あったかい感じがするんですけど、僕もそういう手になれるように頑張りたいです。あとは、友達と会ったときに、その人が今どこが調子悪いか触って調べたり、聞いたりしています。技術と同じくらい人に気を使う気持ちがないといけないと師匠から学んだので」

 
 
「整体トーク」

 
駒沢公園通りと246の交差点の近くにあるお気に入りの純喫茶『アポロ』にて整体の重要性を語る加藤さん。
「僕もそうだったんですけど、若くてもすぐ疲れてしまう人とか、肩が凝るっていう人は姿勢が原因なんですよ。背骨が曲がっていると神経が圧迫されていくら寝ても疲れが取れないんです。そのことに早く気づいて背骨をまっすぐにする感覚を覚えておけば、少し曲がると気がつくからまっすぐの状態を保てるんですよ。だから、若いときこそ整体に行くべきだと思うんです。ただ、カラダに異常がないのに整骨院には行きづらいと思うので、将来はだれでも気軽に行けるような整骨院を作って、遊ぶ前に骨を直しておくという文化が作れたらいいなと思いますね。いつも調子が悪い人より、元気な人と遊ぶほうが絶対に楽しいですもんね」

  
山口瞳の本『礼儀作法入門』にも「礼儀の基本は健康であること」と書いてある。

シティボーイの大先輩曰く、風邪をひいたり、二日酔いを理由に自分の本調子が出せないなんて、礼儀としてなっていないということ。

たしかにシティボーイとしては「疲れてるから今日はパス」って言うのはかっこよくない。
だから背骨をまっすぐにして姿勢のよい健康なカラダを手に入れることを礼儀作法への入門としよう。

さらに、加藤さんのように「調子どう?」ってさらっと聞けたらもう上級。

健康であることはかっこいい。

取材/写真/文/宮本 賢

  
  

  
 
 

  
  


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