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腸頚靭帯炎は長く付き合うもの? 〈かずよしさん/46歳/男性〉

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動作改善のトレーニングが必要かもしれません。

かずよしさん、ご質問ありがとうございます。
なかなか痛みがとれなくて思いきって走れない状況が続くのはホントもどかしいですね~。

腸脛靭帯炎は、捻挫や骨折、脱臼など突発的に起こる「スポーツ傷害」などと違い、ランニングのように繰り返して動作を行うことにより出現する「スポーツ障害」になります。

スポーツ障害の場合、しばらく運動をせずに休んでいると痛みが消えて、「治ったかも」と思うことがありますが、実はそこに落とし穴があります。治ったと思って再び走りはじめ、また痛みがぶり返したというケースはよくあるようです。

なぜそうなるかというと、根本の原因が解決されていないからです。

腸脛靭帯炎の原因をいくつかの書物でリサーチしてみると、

1. オーバーユース(過剰なランニング時間と距離)
2. ウォームアップ不足
3. 休養不足
4. 硬い路面や下り坂の走りすぎ
5. 硬いシューズ
6. 肢アライメント(内反膝)の異常
7. 膝外側部に負担のかかりやすいフォーム
などを挙げることが出来ますが、この中で根本の原因として考えられるのは、6と7になります。

6に関しては、O脚である場合は要注意です。

O脚は大腿部外側の筋肉や腸脛靭帯が常に緊張していて大腿骨と擦れやすい状況にあり、炎症を起こす原因となるからです。この状況を回避するためには、中殿筋や外側広筋、腸脛靭帯などの大腿外側部の緊張を解くようなストレッチやリリースを行いつつ、大腿内側の筋肉(内転筋群)などの筋肉を筋トレなどで活性化させることが必要です。要は、「外側を緩め、内側を鍛えてしめる」わけです。走る前は勿論のこと、走った後も、それ以外の時間でも意識的にこの作業を行っていく必要があります。そうすることで、下肢アライメントが良い状態(O脚ではなく、ニュートラルな脚の状態)になり、膝外側に負担がかかりにくくなります。

7に関しては、走る際(特に着地の際)につま先の向きに対して膝が外向きであると膝外側に負担がかかりやすくなります。

一定期間休んだとしてもこの着地でのフォームが続く限りはなかなか痛みが取れないと思います(1年以上膝の痛みがとれないと悩んでいらっしゃる方も多いようです)。
こういった状況を改善するためには、走っている際につま先と膝が同じ向きを向くような動作を改善するトレーニングが必要になります。
例えば、スクワットから始め、その場ランジ→ステップランジ→フォワードランジと足を踏み込みながら前に移動するトレーニングなどです。これらのトレーニングを行う際には、まずはあまり重さをかけずに自重だけで始め、動作中(着地の際にもけり出す際も)は常につま先と膝の向きが同じになるように意識して行ってください。良い動作が何なく出来るようになってきたら少しずつ負荷をあげていけばよいでしょう。

上記のトレーニングは、負荷をかければ筋トレ的なものになりますが、負荷をかけないで自重だけで行えば、走る前に行うムーブメントプレパレーション(動作の準備)的に使えるので、ウォームアップの中に組み込んでしまえば良いかと思います。毎日ムーブメントプレパレーションを行っていくことで良い動作が身につき、膝外側に負担がかかりにくいフォームにつながると思います。

ただし、こういった動作を改善するトレーニングはとても細かな意識が必要となるので、まずは動作を診れて動きを示すことが出来るトレーナーのもとで指導を受けるのが良いかと思います。

参考までに・・・新しい動作を身につけるためには300回~500回、悪い動きの癖を良い動きに変えるためには3000回~5000回の練習が必要と運動生理学的には言われています。動作を改善することがいかに大変か!?ということになりますね。

かずよしさんの膝が1日でも早く良くなることを祈ってます!!!

相談者DATA

名前:かずよしさん

年齢:46歳

性別:男性

身長:172 cm

体重:67 kg

BMI:22.64

体脂肪率:16 %

職業:会社員


スポーツ、身体活動:
中学~大学・・・ソフトテニス

社会人1年目~10年・・・ボディービル
最近3年間・・・ランニング


既往歴:膝の故障


健康状態:特になし


平均食事回数と量:

朝・・・ご飯 ハムエッグ 野菜ジュース

昼・・・妻お手製の弁当

夜・・・ヨシケイの食事
間食(補食)・・・おかし(スナック)

平均睡眠時間:5~8時間


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