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第44回 マサダ シュウヘイ(29) | ブログ | マガジンワールド

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夢中なことがあったり、叶えたい目標があったり、誰にも真似できない自分だけの“何か”を持ってる人ってかっこいい。 シティボーイってどんな人のことを言うの!? という問いの正解は決して一つではないけれど、彼らが共通して持っているのは、そういう自分の興味に対する強い想いなのではないでしょうか。

このブログでは、毎回1人のシティボーイに密着取材。彼らのホームタウンを巡りながら、シティボーイの実態を調査していきます。

今月のシティボーイは高円寺の古着屋『黒BENZ』で働きながら、DJやトラックメイカーとして活動するマサダシュウヘイさん、29歳。

DJ、トラックメイカーってよく見るけれど、実際はどんな仕事があって、どんな生活をしているんだ? という長年の疑問を解決するために、彼が働く阿佐ヶ谷・高円寺エリアにお邪魔してきました。
 

この日は『黒BENZ』への出勤日。まずは彼の行きつけの喫茶店『gion』で話を聞きました。
マサダさんがDJを始めたのは3年前くらい。
以前はサンプリングなどの手法を用いたバンド
「パエリアズ」のメンバーとして活動していたのだけど、今は古着屋さんで働きながら自身の音楽活動の日々。
なぜ古着屋? と思うかもしれないが、彼にとってはごく自然な選択だったみたい。

「音楽と出合ったのが古着屋さん。高校生の時から通っている地元静岡県の古着屋「cozy」さんに60〜70sのカルチャーに詳しいオーナーがいて。彼に教えてもらいながら当時のロックやブラックミュージックにどんどんハマっていきました。そんな中、10代の頃に今の職場である『黒BENZ』を雑誌で知って静岡から遊びに行ったんです。服のセレクトがいいのはもちろん、店の雰囲気だとか全てに衝撃を受けて。いろんな意味でヤバい店を知ってしまったと当時は思いました。店はあらゆるカルチャーに影響された服をアメリカで買い付けているんですが、哲学をしっかり持っている店で、今の僕の考えやスタイルにすごく影響を与えているんです。」
 

「音楽を自分でやるようになったのは19才の時。すごく暇だったんですね(笑)。ある時、千葉の大学に進学した友達のところにヒッチハイクで向かおうと思い立ちました。初めてにしては順調で、すぐに都内に出ることができて、当時、丁度楽器に興味をもちはじめたのもあって、御茶ノ水の楽器店に寄ってみたんです。でも当時は楽器の知識とかは全くないから、店員さんに何本かギターを弾き比べてもらって、そこでピン! と来たのが<リッケンバッカー>の『330』。製法が独特で、ちょっと不器用な音というか……それこそ僕が好きだったザフーやビートルズの音がしました。20万円くらいの大きな買い物で、気づけば友達に会いに行くことは忘れ、そのまま静岡に帰ってしまいました(笑)。その後、地元でバンドを2年ほど組んだりしていましたが、田舎ではなにをしていてもやっぱり暇だったので上京をしました」

そして、まもなくして出合ったのがバンド「パエリアズ」と”サンプリング”

「『パエリアズ』は上京して半年くらいの時に偶然知ったバンドでした。
彼らのようにアナログとデジタルのバランス感覚に優れた海外の新しいシーンに傾倒したカッコいい日本のバンドは四年前はあまりいなくて、そういった出会いをきっかけに音楽に対する概念がまた変わっていきました。そんな時にtwitterがきっかけで彼らのライブを見にいき、プライベートでもメンバーと遊んでいたりしていたところ、新しいパートを作るためにバンドに誘われて『パエリアズ』のメンバーに。そのパートというのがサンプリングパッド。電子打楽器ですね。音を取り込んで、指やスティックで叩くシンプルな楽器ですが、色んな音を出せて、すごくバンドの可能性を広げるもので、そして自分にとってもあらゆる新しい挑戦の連続でもあり、頭で考えるリズム、グルーヴ感の追求という部分はすごく大変だったり、でも楽しい新鮮な音楽の魅力でした」

3年間の活動を経て、今のDJやトラックメイキングを始めたわけだけど、パエリアズ時代に培った音楽に対する知識や経験、発見や出会いというのは今の活動にも生きているよう。


今はバンドをやっていた時に知り合った友人などに誘っていただき、「下北沢Three」「中目黒ラウンジ」「渋谷lounge neo」などでのイベントや、レストランなどでもDJをします。
シチュエーションやフロアを想像しながら選曲をしますが、時にはハウスやヒップホップ、ダブなどの流れから、Boa!島谷ひとみ!フィッシュマンズ!みたいな小中学校の時好きだったJ-popをぶっ込んでみたり(笑)。音楽的な接点を見いだしてバックグラウンドの表現をするのが個人的なDJの楽しみ方でもあるので(笑)。他にも、ただDJをやるだけでなく、友人のミュージシャンを招いてバンドカバーをセットに組み込んだりして、既成のサウンドだとハマらないところを新たに作り直したり、みたいなトラックメイキングの要素も入れながらDJをすることもあります」
ちなみに本誌の特集「欲しいものが、いっぱいだ!」にちなんで今欲しいものを聞いたところ「いいオーディオインターフェース」を狙っているとのこと。

最後は彼が働く「黒BENZ」へ。
高円寺駅の南口、徒歩3分くらいのところにあるこちらは、スナックを改造した、一見古着屋とは思えない面構え。
 

「古着にはダメージや珍しいディテールなど、特有の魅力が沢山あります。細かいところまで服と向き合って、新しい発見や古着ならではのシビれるような感覚、カルチャー、デザインをあらゆる視点でインプット・アウトプットすることは新しい音楽を見つけたり、フロアに発信するDJの魅力に近いかもしれません」

マサダさんは、もちろん自身も古着を着ることが好き。彼がずっと大好きで今も履きつづけているパンツも紹介してくれました。
 

「何年か前まで、ずっと自分にはデニムが似合わないと思っていて、凄く好きなのにハマらないというか(笑)。そんな自分もずっと<リーバイス>のスタプレは大好きで履いていました。まさにその当時傾倒していた音楽たちのように60〜70年代を象徴するようなスリムなブーツカットのシルエットです。生地やカラーもたくさん揃っていて手頃な値段で手に入ります(笑)」


今の夢は「自分の店を持ったり、好きなことをずっと深く追求していきたい」というマサダさん。「黒BENZ」のBGMも「基本サウンドクラウドに作ったプレイリストで、店の雰囲気を考えて選曲しています。Boa!島谷ひとみ!みたいな遊びはしませんが(笑)今のファッション的な視点やルーツも絡めながらかけています」
彼が古着屋で音楽に出会ったように、いろんな音や考え方を発信できる場ができるといいね。

https://blog.magazineworld.jp/popeyeblog/30138/


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