白シャツ ¥16,800(N.ハリウッド アンダーサミットウェア | ミスターハリウッド)/その他*スタイリスト私物
Photo: Satoshi Yamaguchi(object) Text: Ryoko Kobayashi
隠れた色っぽさを引き出すトーンアップアイブロウ
パティ・スミスのような、パンツにサスペンダーのちょっと無骨なファッションに、色気を感じさせるメイクアップ。そんな相反するテイストを融合したヴィジュアルが気になっていた矢先、出逢ったのが冨田さんだ。
「清楚で真っすぐな人だけど、少し斜に構えたようなクールな一面もあるところが、今回のイメージにぴったりでした。彼女の場合、顔立ちの印象を決めているのは、太めの眉。でも実は、大きな目にも、人を惹きつける力がある。だから、眉の存在感をわざとなくし、目にフォーカスしたメイクでいくことにしました」(UDAさん)
毛色、量感ともにしっかりした眉は、下地にコンシーラー(2)を。スクリューブラシに少量を取り、毛の流れとは逆の方向に動かして、根元から毛先までしっかり塗って肌と同化させる。そのうえで、ナチュラルに色づく黄み系の眉マスカラ(1)を、眉毛を染め直すように上から重ねた。
「そうして相対的に強くなった目元は、まずブラウンのアイライナー(3)を上瞼の睫毛の生え際から二重幅まで入れます。そこに、ブラックのリキッド(5)で、さらに目元を強調するアイラインを。目尻は2〜3mmはみだして、行きすぎないキャットアイに。目頭は切れ込みいっぱいまで、下瞼は目尻から3分の2に引きました。最後に、視線をさらに集めるために、黒のマスカラ(4)で、睫毛の毛束感を出しています」(UDAさん)
ベースメイクは、コンシーラーと少量のパウダーファンデで素肌の質感を残す。唇は、ベージュのルージュを指で塗り、ボーイッシュなテイストとのバランスをとった。
チャームポイントを消すという選択
「〝新しい自分を見つけたい〟と、話していた彼女ですが、変わりたい気持ちはあっても、決して奇抜さを狙いたいわけではない。そういうとき、最も目がいくチャームポイントをあえて消し去ってみると、今までにないバランスや内なる魅力を探しだす、糸口になります」(UDAさん)
今月のミューズが生まれるまで
冨田有沙さん(学生)
2012.11.30 at Fujisawa
(Photo: UDA)
「コンサバでも
ナチュラルでもない、
ノスタルジックな
清らかさをもつ人。
迷いながらも、
夢に向かって
ひたむきに進む
熱い想いが
色っぽさを生んでいる」
─UDAさん
メイクアップ: UDAさん
メイクアップアーティスト。外資コスメブランドを経て、現在は、本誌をはじめ、ショーやアーティストを手がける。2/3からスタートする、松山ケンイチ主演の舞台『遠い夏のゴッホ』に、今回連載でスタイリングを担当した伊賀大介さんとともに参加し、初のメイクプランニングを行う。
アイブロウメイクのコンシーラーは、スクリューブラシで塗布。毛の流れに逆らう方向にブラシで梳かしながら塗ると、眉毛の根元にもきちんと塗れる。
眉マスカラをつけるとそのままの色がキリッと発色する。