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第4回 FEEVER BUG 本田 登未央さん

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profile:ほんだ・とみお。高校生のときに通っていた古本屋さんの店長に誘われ、古書店でアルバイトを始めたのをきっかけに本の世界に入る。2011年、自身のお店『FEEVER BUG』をオープン。○神奈川県横浜市港北区綱島西2-7-3-103 ☎045-717-7620 営業時間 月〜土13:00~23:00 日祝11:00~20:00 無休
 
 
 
近頃、東京では代官山の蔦屋書店のように、トークショーやカフェサービスなども楽しめる本屋さんや、ZINEだけを取り扱ってる本屋さんなど、それぞれテーマを持ち、新しい本の楽しみ方を提案する本屋さんができています。このブログでは、かけだしライターの私、宮本 賢がそんな本屋さん訪れて取材。本を読むこと、探すこと(=Diggin’ Books)のおもしろさを教えてもらおうという企画です。インディペンデントでかっこいい本屋さんにいる「本のスペシャリスト」に会いに行ってきます。「Diggin’ Books」毎月更新!
 
 

お世話になっている先輩に「綱島におもしろい本屋さんがあるよ」と教えて頂き、気になっていた『FEEBER BUG』。店主がスケーターだとか、カルト系の本がたくさんあるとか、変わった噂がたくさん。真相を確かめます!
 
おもしろい本がたくさん置いてあるという噂は聞いていたのですが、入ってすぐに「UFOと宇宙」っていう雑誌が目に張ったのには驚きました(笑)こういう本はどのように集めたのですか?
「もともと音楽でも本でも見たり聴いたりした時ちょっと理解に苦しむような物が好きで
UFOとかオカルトとかもそうですけど、いわゆるサブカル?的な物はジャンルにかかわらずだいぶ集めました。
だからオープンしたときは、ほぼ自分とパートーナーの私物でしたね。古書組合が運営している古本の市場でも意外とあったり、店頭で買い取る時ももちろん高価買取対象です(笑)」
 
 

 


 
こういうジャンルを好きになったきっかけはなんですか?
「高校生のときに綱島にあった『ビートニクス』という古本屋さんによく通っていたんです。そのときはハードコアとかパンクが好きで、CD がたくさんあったから行っていたんですけど、そこに通ううちにこういう本も好きになったんです」
 
 

 


なるほど。スケーターでハードコア好きでオカルト好きな古本屋さんはあまりいないですよね(笑)なぜ古本屋さんに?
「前の店で10年働いていたんですけど、そのとき古本にハマってしまったんです」

どういったところでしょうか。
「いろんな人が本を売りにくるので、自分の好き嫌いに関わらずおもしろいモノが常に入ってくるところですね。知らない世界を知れるのがおもしろい」
 

 

 
スケボーや音楽に関わっていることで、なにか良いことはありますか?
「スケートボードや音楽に関わっていたおかげで、昔の<スラッシャーマガジン>がたくさん集まってきたりという事はありますが、店をきっかけに自分の好きなアーティストとかかわれて友達がたくさんできた事は自分にとってすごく大きいです。そして店で扱い始めたCD、ZINE等の、友達の作品に自分の周りのスケーターが興味を持ったり、その逆で仲の良くなったアーティストがスケートボードにハマっちゃったり。これは自分にとって良いことだし楽しいですね。」
 

 
古本屋さんなのに、いろいろなモノを置いているのはなぜですか?
「ぼくが好きだった西新宿の『ロスアプソン』っていうレコード屋が、「ここはいったい何屋さんなんだ」って思うような場所で、それに近づけたかったんです。そういうお店だと通うこと自体が楽しいですからね。」
 
お店に来ることの楽しさはなんでしょう。
「今はネットでいくらでも情報が入手できるけど、ぼくが高校生のころは古本屋やCD屋に通ってモノを買ったり、お店の人と話したりするしか情報を得る方法がなかったんです。大変かもしれないけど、そこでしか手に入らない情報があったり、変な人に会えたりするのが楽しいんですよ。ここも、そういうお店にしたかったんです」

それでは、今回も本を掘っていきます!
 
 

 
 

1st DIG 『痴人の愛』/春川ナミオ
「SM雑誌の巨匠、春川ナミオさんの昭和30年代の作品です。これを読むと圧倒的ななす術のなさからくる安心感に癒されます。絵の迫力もすごい」
 
 

2nd DIG 『レディス』/第三書館
「80年代のレディス全盛期に作られた本なんですけど、作った意図もデザインも意味不明でおもしろい。だけど、女子の怖い部分とかわいい部分を両方見られる素晴らしい作品です」
 

 
 

3rd DIG 『オバケのQ太郎』/藤子不二雄
「Diggin’ Books」初の漫画の登場です!
「これは、作品も素晴らしいんですけど、元持ち主の落書きがおもしろいんです。」
 


「下手すぎますよね?(笑)これよく見ると下に写った絵をなぞっているんです。小さい子が必死に書いたんだなと思うと癒されますよ。持ち主の性格とかが垣間見えたりするのも古本屋の楽しみのひとつなんです」
 
 

 

スケボー、音楽、本などシティボーイが好きなカルチャーがすべて凝縮されたお店「FEEVER BUG」は、ただの古本屋ではなく、いろいろな人が集まるサロンのような場所。本を買いに行ったのに、帰りはまったく違うものを持っているかもしれないから気をつけよう。

取材/文/写真/宮本 賢

 


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